ビビすまスタッフコラム社長よくある「贈与税110万円控除」の誤解

スタッフコラム

2025.10.31 NEW
  • [社長]

よくある「贈与税110万円控除」の誤解

ViVi不動産株式会社 代表の矢郷です。

住宅購入の際に、「親から資金援助を受けたい」というご相談を受けることがよくあります。

特に最近は物価や建築費の上昇もあり、親御さんが子どもの住宅資金をサポートするケースが増えています。

その中でよく耳にするのが──

「贈与税って110万円までは非課税なんですよね?」

というご質問です。

確かに「年間110万円まで非課税」という基礎控除があります。

しかし、このルールを勘違いしたまま贈与すると、思わぬ課税を受けるリスクがあるんです。

今日は、「父と母の2人からそれぞれ110万円ずつもらっても大丈夫?」という、よくある誤解をテーマに、わかりやすく解説します。


結論:「非課税枠110万円」は“もらう人”単位!

まず結論からお伝えします。

贈与税の基礎控除110万円は、贈与を受けた人(もらう側)ごとに適用されます。

つまり、

お父さんから110万円、お母さんから110万円=合計220万円を受け取った場合、

非課税なのは「合計のうち110万円まで」で、残りの110万円は課税対象です。


なぜ勘違いされやすいのか?

誤解が生まれる原因は2つあります。

① 贈与税は“もらう人”ベースで計算される

贈与税は「誰がいくらあげたか」ではなく、

「誰が1年間にいくらもらったか」で判断します。

1月1日から12月31日までの間に受け取った合計額に対して、110万円の控除を適用します。

② 相続税の考え方と混同している

相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」と、人数によって増える仕組み。

そのため、「贈与する人が増えたら控除も増える」と思ってしまう方が多いのです。

しかし、贈与税ではまったく別の考え方になります。


実際のケースで確認してみましょう

たとえば、お父さんとお母さんが、それぞれお子さんに110万円ずつ贈与した場合:

受贈者 贈与者 贈与額 課税対象  
子A 父110万円+母110万円 220万円 110万円  
子B 父110万円+母110万円 220万円 110万円  

この場合、各子どもが受け取った合計が220万円ですので、

基礎控除110万円を引いた残りの110万円が贈与税の課税対象になります。

つまり、ご夫婦で計440万円を贈与しても、非課税なのは子ども2人で合計220万円まで ということになります。


【重要】110万円控除を上手に活用するには?

正しいルールを理解すれば、非課税の範囲で上手に資産を移すことができます。

そのポイントを2つにまとめました。

① 「あげる相手」を分けるのではなく、「もらう人ごと」に考える

非課税枠は“もらう人単位”で適用されます。

親が2人いても、同じ子に渡せる非課税枠は合計110万円まで。

ただし、子どもが複数いれば、それぞれ110万円まで非課税で贈与できます。

② 「定期贈与」とみなされないよう注意する

毎年110万円を長期間渡し続けると、税務署から「最初から総額を渡す約束をしていた」と判断されることがあります。

これを「定期贈与」といい、全額に贈与税がかかってしまうことも。

これを避けるためには──

  • 毎年、贈与契約書を作成する

    • 贈与の都度、契約を締結していること: 毎年、その年の贈与分についてのみ贈与者(あげる人)と受贈者(もらう人)の間で合意が成立したことを書面で残します。
    • 贈与の意思が単発的であること: 将来の贈与を約束したものではなく、あくまでその年限りの贈与であることを明確にします
  • 金額や時期を毎年少し変える

  • 贈与したお金は、もらった人の口座に振り込む

こうした「形式的な証拠」を残すことが大切です。


まとめ

贈与税の110万円控除は、相続や住宅資金援助における大切な制度ですが、

「誰から」ではなく「誰がもらったか」 で判断される点を忘れてはいけません。

誤解したまま資金を渡してしまうと、後から想定外の贈与税が発生することもあります。

住宅購入や相続の際は、必ず税理士や専門家にご相談ください。

ViVi不動産では、不動産購入だけでなく、資金計画や贈与のご相談も承っています。

「親からの援助をどう受けたらいいのか」「税金を軽減させる方法を知りたい」など、

お気軽にご相談ください。

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(2025年10月23日)
ViVi不動産株式会社 矢郷修治

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