こんにちは!ViVi不動産株式会社の矢郷です。
不動産の売却相談をお受けする中で、「なぜこんな理不尽な税制になっているの?」とお客様と一緒に首をかしげたくなる瞬間に直面することがあります。
今回は、親御さんやおじいさまの面倒を見るために実家で同居していた優しいご家族が直面する、
税金の「理不尽な落とし穴(通称:同居ペナルティ)」についてお話しします。
親を想う家族ほど損をする?あるご家族の事例
例えば、こんなケースを想像してみてください。
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建物: 昭和50年頃築の古い実家
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家族構成: おじいさまと、相続人のお一人とそのご家族が3人で居住
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状況: おじいさまの面倒を見るため、相続人の1人が実家でずっと同居。 他の2人の相続人も近くに住み、みんなで協力して手厚くサポートしていた。
やがておじいさまが亡くなり、相続が発生。遺産はこの実家だけだったため、3人で公平にお金を分ける(換価分割)ために、同居していたご家族は引っ越しをして、実家を売却することになりました。
誰も住まなくなる古い家を壊して売るのだから、当然「空き家の3,000万円特別控除」が使えるだろう……普通はそう思いますよね。しかし、ここに大きな落とし穴が潜んでいます。
「空き家特例」が使えないという残酷な現実
結論から言うと、このケースでは「空き家の3,000万円特別控除」は一切使えません。
なぜなら、この特例の絶対条件が「亡くなる直前に、被相続人が完全に一人暮らしだったこと」だからです。
税務署のルールは非常に機械的です。「亡くなった時に同居人がいた=その家は空き家ではない=特例の対象外」と見なされてしまいます。
「おじいちゃんが亡くなったから売却して空き家になるのに!」と訴えても、亡くなった”直前”の状況しか見てもらえません。
極端な話をすれば、「おじいちゃん、もう長くなさそうだから、税金を安くするために明日から別居するね!」と言って本当に引っ越さなければ、この特例は使えないという非常に滑稽で冷酷な構造になっているのです。
制度が抱える「同居ペナルティ」という矛盾
なぜこんなチグハグなことになっているのでしょうか?
それは、国がこの特例を作った目的が「最後まで親の面倒を見た家族を優遇するため」ではなく、「全国に増えすぎた『放置空き家』を物理的に減らすため」だからです。
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一人暮らしの高齢者が亡くなる → 放置空き家になりやすいから、税金を安くして早く売ってもらおう!
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家族と同居している高齢者が亡くなる → 家族がそのまま住み続けるはずだから、空き家対策の特例は不要だよね。
国の建前はこうなっています。
しかし現実は、遺産分割のために売却せざるを得ないご家族がたくさんいます。
同居して直接面倒を見ていた方も、近くに住んで手厚くサポートしていたご家族も、誰もこの特例の恩恵を受けられない。
家族の絆や介護の実態を完全に無視したこの状況は、専門家の間でも「同居ペナルティ」としてたびたび批判されています。
3人で売却するとどうなる?不公平な税金負担
では、空き家特例が使えない場合、3人で共有名義にして売却すると税金はどうなるのでしょうか。
実は、同居していた相続人1人だけは、そこが自分の生活拠点であったため「マイホームの3,000万円特別控除」を使える可能性が高く、自身の持ち分(1/3)の税金はゼロになります。
しかし、同居していなかった残り2人の持ち分(2/3)には特例が使えず、売却益に対して約20%の税金がまるまるかかってしまいます。
同じようにサポートしていたのに、税金がかかる人と無税の人が出てしまい、手元に残るお金に大きな差が生まれてしまうのです。
だからといって「特例が使える1人の名義にして売って、あとでお金を分けよう」とすると、今度は税務署から「贈与税」というさらに恐ろしいペナルティを課されるリスクがあります。
納得のいかない税制だからこそ、プロにご相談を
親族で協力して親の面倒を見た温かいご家族が、税金面で損をしてしまう。
私たち不動産会社としても、この制度の矛盾には歯痒い思いでいっぱいです。
そもそも自分の不動産を売っただけなのになぜ国に税金を取られるのでしょう? という根幹にまで遡りたくなります。
「悪法も法なり」という言葉もあるのは知っていますが、さすがに今回は納得しづらい不愉快な税制だと思わずにいられないのでした。

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(作成日:2026年7月18日)
ViVi不動産株式会社 代表取締役社長 矢郷修治
